だって、キミが好きだから。
「やっぱお前、変わってんな。けど、適当に生きてる俺からすれば尊敬させられる」
「そ、そんなっ!尊敬だなんて!」
「少なくとも周りにいる奴らなんかより、ずいぶん大人だよ」
「そんなことないよ!あたしはただ……忘れ去られるのが怖いだけだから」
そう。
ただの弱虫。
「ははっ。忘れねーだろ。こんなバカで純粋でまっすぐな奴を」
「なっ……!」
琉衣ってやっぱりイジワルだ。
クスクス笑いながら、バカにして来るなんて。
「る、琉衣って……もっとクールな人だと思ってたのに。これじゃ詐欺だよね」
「あ?詐欺?何がだよ」
ぷっ。
あはっ。
スネちゃったよ。
ムスッとしちゃって子どもみたい。
「もっと女の子に冷たいと思ってた」
「あー。興味ない女にはな」
じゃあ……あたしは?
つい琉衣の言葉の裏側を考えてしまう。
ダメだ。
余計なことは考えないでおこう。
あくまでも普通にしてなきゃ。
「そ、そっか……」