だって、キミが好きだから。
もし。
あの日の告白がなかったら、琉衣の言葉を軽く聞き流せたのに。
今では色んな意味を持って聞こえてしまうから、ついつい深く考えちゃう。
「急に静かになるなよ。気まずいだろ」
「え?あ、ごめん」
「冷める前に飲もうぜ」
「う、うん」
琉衣はカフェオレの入ったコップを口に運ぶ。
それを見て、あたしもコーンスープを飲んだ。
しばらく無言で飲み続け、気付けば窓の外の景色が暗くなっていた。
「そろそろ帰るか」
「そうだね」
2人で病院を出ると、すでにバスが停まっていた。
「今日はありがとう。また来てくれたらみんなも喜ぶと思うから、良かったら来てね」
2週間に1回のペースで通っているということは、さっき話した。
次は2週間後。
また琉衣が来てくれたらいいなって密かに思った。
“みんな”じゃなくて“あたし”が思った。
「ま、気が向いたらな。気を付けて帰れよ」
「うん、ありがとう。バイバイ」
「じゃあな」
ニッコリ笑って手を振ると、琉衣も同じように返してくれた。