だって、キミが好きだから。
家に帰ってからも、あいつのことが頭から離れない。
頭を思いっきりブンブン振って考えないようにしてみたって、すぐにポワンと浮かんで来る。
くそっ。
なんでだよ。
ボランティアしてるって、どんだけお人好しなんだか。
まぁ、癒し系の菜花に救われてる奴は多いだろうけど。
なんだかんだ言いつつ、今日は結構楽しかったしな。
「あんた……さっきから頭振ったりニヤけたり。ついにおかしくなった?」
目の前に座るお袋が茶碗片手に眉をひそめている。
うわ、やべ。
メシ中に何考えてんだ、俺は。
そこで箸が止まっていることに気付いた。
「な、なってねーよ!」
くそっ。
ジロジロ見やがって。
茶碗を持ち上げ、勢い良くご飯をかき込む。
「急いで食べたら喉詰めるよ」
「うっせ。平気だって……うっ、げほっ」
「ほら、言わんこっちゃない」
「う、うるへー。げほっげほっ」
うっ。
やべえ。
詰まった。
この唐揚げ、デカすぎんだよ!
「ちょっと、こっちに飛ばさないでよ」
「仕方ねーだろ……ごほっ」