だって、キミが好きだから。


休み時間の度に廊下に出て、思わずキョロキョロしてしまう。


誰かさんの姿を探してる俺はバカだろうか。


この短い時間に一瞬だけでも姿を見れたら……なんて、そんなことは思ってねーけど。


それでも、菜花がいる1組の方に目が向く。



「おいおい、いくら早く会いてーからって。ストーカーみたいなことしてんじゃねーよ」



めざとく俺の姿を見つけた朔真が悪態をつく。


くっそー。


クスクス笑いやがって。



「してねーよ!トイレだよ、トイレ!」



「おー、じゃあ早く行けよ」



「行くよ!じゃあな」



トイレに向かって歩いていても、朔真の笑い声が聞こえて来た。



マジ、ムカつく。


バカにしやがって。


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