だって、キミが好きだから。
ーータタタタタタッ
走って行くあいつの足音を聞きながら、ゆっくり教室に戻った。
さっきのあいつの潤んだ目が鮮明に焼き付いている。
やべー。
やべーよ、これ。
ドキドキしすぎだろ、俺。
……キモすぎる。
なんなんだよ、これは。
教室に戻ると、やっぱり朔真がニヤニヤしながら俺を見て来た。
「お前、こんなにわかりやすい奴だったんだな。良いことあったんだろ?顔に出すぎ。ニヤけてて気持ちわりーし」
「ニ、ニヤけてねーし!」
「はいはい、わかったから。可愛い奴め。任せろ、今日は協力してやるからよ」
は、はぁ?
協力だと?
マジで言ってんのかよ、こいつ。
信じらんねーな。
けど、そもそも俺はすでに振られているわけで。
あいつは俺のことをただの友達としか思っていないはず。