だって、キミが好きだから。
「なのちゃん、琉衣斗なんかほっといてさー!俺と話そうぜ」
「え……あ、ちょ」
アオがニヤッと笑いながら、さり気なく菜花の肩を抱いた。
そして、自分の方にグッと引き寄せる。
「ちょっ、アオ君……?は、恥ずかしいよ」
「いいじゃん、大丈夫だって。誰も見てねーよ」
「で、でも……みんながいる前でこういうことは」
「じゃあ2人きりだったらいい?このまま抜け出そっか」
「えっ!?いや……困るよ」
「大丈夫だって」
黒いモヤモヤした気持ちが胸に広がって、イライラがマックスに高まった。
ーードンッ
両手でテーブルを思いっきり叩く。
「やめろよ!嫌がってんだろ!?」
立ち上がってアオの肩を掴んだ。