だって、キミが好きだから。
「えーっと……どこがいいかな。思い付かないや」
可愛くえへっと笑う菜花。
なんなんだよ、こいつ。
マジ可愛いな、おい。
なんか今、すっげえ抱き締めたくなっちまったじゃねーかよ。
そう出来ない代わりに、菜花の腕を力強く握った。
すると菜花の体がピクッと反応して、次第に固まる。
「……帰るか?」
本当は帰りたくねーけど。
もっと一緒にいたいけど。
んなカッコ悪いこと言えるかよ。
あー、頼むからさ。
もっと一緒にいたいとか何とか言ってくれ。
「え?あ、どっちでもいいよ……!琉衣は帰りたい?」
なんだよ、それ。
上目遣いで見んなって。
帰りたいわけねーだろ。
もっと一緒にいたいんだよ。
なんだこれ。
俺、マジでやべえな。
冗談抜きで。
これが……恋ってやつなのか?