だって、キミが好きだから。


あたしの腕を掴む琉衣の手に力が込められて、ドキドキはさらに加速した。



「で、気付いたんだ。やっぱ諦めらんねーって。俺、お前のことがマジで好きだ。けど、別に今すぐ付き合えとか言わねーから。俺の気持ちだけ覚えといて」



「……う、うん、ありがと」



琉衣の言葉が胸に沁みる。


喉の奥がカーッとなって目頭が熱くなった。



『俺の気持ちだけ覚えといて』


うん。


ちゃんと……ちゃんと覚えとく。


絶対に忘れない。


忘れたくない。


琉衣のまっすぐな気持ちを……想いを。


なかったことにしたくない。



胸の奥が痛い。


張り裂けそうだよ。


本当は琉衣の気持ちに応えたいのに、あたしにはそれが許されない。


……ツラいよ。



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