初恋の行く末
「山中大丈夫?飲み過ぎだよ。送って行くから帰ろう」

追加して飲んだカクテルで更に私は酔っぱらってしまった。

振られてしまった訳ではないのに失恋をした気分になってしまって悲しかった。

高橋は心配そうな顔して私の顔を覗きこんだ。


「ヤダ!帰らない。せっかく高橋に会えたのに帰ってしまったら、もう会えなくなる。」


私は酔いがかなり回っていて高橋を困らせていた。


「また会えるよ。今度はお茶にしてゆっくり話をしよう」

そう言ってくれたのに、このまま帰ってしまったら二度と連絡が来ない気がして駄々っ子のようになってしまっていた。

「今日は帰りたくない。高橋とこのまま朝までいたい」


普段なら絶対に言わない事を言ってる。でも後悔はしてない
「それって誘ってる?」


困った顔で高橋は聞いてきたので


「誘ってる。」

と言って
高橋の肩にしなだれかかった。


「知らないよ。どうなっても」


私の髪を優しく撫でながら高橋は言った。


「いいの。ずっと高橋とそうなりたかったから」


自分でも驚くぐらい素直に言えた日だった。
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