初恋の行く末

待ち合わせのラブホテルに行くまでは時間が掛かり地下鉄とバスを使って約1時間ほどかかった。


ようやくラブホテルに到着。ロビーに行くのに何度も辺りを見渡して人がいないのを確認してから入る。

ロビーに入った途端今までの緊張感がとれて一気に疲れが出た。

「ふぅ」

ため息が漏れてしまう。

腕時計で時刻を確認すると20時51分。少し早く着いたがちょうど良い時間だ。

高橋はまだ到着していないようだ。

幸いロビーに人がいなくて安心した。

待つこと数分、息を切らし急いでロビーに入ってくる高橋が見えた。

「ごめん。待った?」

人懐っこい笑顔を私に向ける。
あぁ当時と変わらない。
この笑顔好きだな

「ううん。今来たとこ」

そう言って高橋を見つめ腕を絡ませる。

「じゃあ部屋決めて入ろうか」

と高橋は言い二人でロビー内の大きなパネルのある所へ向かう。

部屋が空いてるのはカラオケ付きでレトロな部屋しかない。

「ここしかないけどいい?」
と聞かれたので

「うん。早く入ろう」

と言ってパネル下のボタンを押して部屋へと急いで向かう。

部屋に入った瞬間高橋に抱きついて

「会いたかった」

と言ってキスをした。

高橋は何も言ってはくれないけど応じるように、また私にキスをしてくれた。

受け入れて貰えてるのが嬉しくて高橋のズボンのファスナーを下げる。

「まだ早いよ」

そう言って私の手を止めて耳元に優しく息を吹き掛ける。

「あぁ」

あまりの気持ちの良さに甘美な声が溢れてしまう。

もっと触れてほしい

たまらず高橋が着ていたチェックのシャツのボタンを外していく

「いつの間にこんなエッチになったの?」

高橋はからかうように私の着ていたロングカーディガンを脱がした。

「分からない。だって高橋に触れたくてたまらないんだもん。」

そう言ったら

切なそうな表情を見せ

「ごめん」

と言いながら私の着ていたブラウスのボタンを外していった。

何に対しての謝りなのかは怖くて聞けなかった。
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