初恋の行く末

会社から帰宅し夕食をコンビニ弁当で済ませ風呂に入りテレビを見てくつろいでいたら美保子からの着信があり急いで電話に出る。

「翔、土曜日に一緒に動物園に行かない?」


美保子からの嬉しい誘いだ。

「動物園?懐かしいなぁ。小学校の時行って以来だよ」

美保子と行く動物園。楽しいだろうな。

手なんて繋いで美保子が
"お昼作ってきたの。一緒に食べよう"なんて言って…
ニヤニヤと妄想していたら
「本当?行くの嫌じゃない?大丈夫?」

と俺を気遣って聞いてきた。

こういう気遣いしてくれる所いいなぁ~

「全然、行くの楽しみだよ!動物園って昔と比べて見せ方も変わってきてるし。友達同士だとまず行かない」

と言ったら喜んで

「良かった。じゃあ、お弁当作って行くね。苦手な物とかある?」

と聞いてきた。

妄想が現実に!

「苦手な物は特にないよ。手作り弁当なんて高校以来だよ」

喜んで答えたら美保子は焼きもちを焼いて

「それは女子?」

と聞いてきた。

彼女から焼きもちなんて俺も、だいぶ昇格したな~

そろそろ堂々と彼氏と言っても大丈夫だよな。


「俺モテないから。弁当は母親。」

と言った。

美保子はホッとした感じで
「そっか。じゃあ私が初めてだね」

と喜んだ。

それから1時間くらい話をして電話を切った。

美保子とは毎週会っているけど電話で話をしていたら彼女に触れたくなってしまう。

今日も美保子に触れたい!3日前も彼女に会ったばかりなのに。

有り余る欲求を押さえるのが大変だった。
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