初恋の行く末
席に座ったら松木と港がすばやく玄関のほうへと行き
「じゃあ二人だけの時間過ごしてね」
と言い外に出ていった。
予想してなかった事に驚いて何も言えなかった。
「二人きりにされちゃいましたね」
と渡辺はいい俺にしなだれかかった。
この展開はマズイだろう!
4人でパーティーじゃなかったのか?
どうしようかと、そのままの状態でいたら渡辺は鞄からスマホを取りだしメールを見ているようだった。
そして俺に
「佳菜子からで玄関に鍵掛けて外出したから明日の朝まで帰れないって」
とにっこり笑って言った。
あいつら謀ったな。
「明日の朝って…」
渡辺に手を出すつもりはないが男女二人きりはマズイ。
美保子に何て言えばいいんだよ。
確実に誤解される。
とにかく早く帰りたかったので
「港に連絡して鍵開けてもらって」
と頼んだ。
渡辺は俺に抱きついてきて
「私大学時代の時から小林先輩が好き。今日は小林先輩と一緒に朝まで過ごしたい」
と言い渡辺は着ていたブラウスのボタンを外しスカートも脱いでキャミソールとパンティ姿になった。
これはヤバい!
急いで渡辺の腕を振りほどき傷つけるとは思ったが
「渡辺ごめん。俺彼女がいるし渡辺の事妹としか見れない」
とはっきり断った。
「分かってます。でも一度だけでいいから抱いて」
と着ていたキャミソールを脱ぎ出した。
なんとか冷静になって欲しくて
「それは出来ないよ。俺は彼女と結婚するし妹とそういう事は出来ない」
渡辺を更に傷つける言葉を言った。
美保子とは結婚の話は出てないし今言った事は俺の妄想だけど彼女と結婚はいつかしたい。
渡辺は泣きながら
「でもしたら変わるかも」
とつけていたブラジャーとパンティを脱いで裸になり俺にしがみついた。
渡辺の細いウエストと長く伸びた手足。痩せているのに意外とある胸を見て綺麗だとは思ったけど発情はしなかった。
触れたいのは美保子。
一番言いたくない事を伝えないと納得して貰えないと判断した俺は酷だと思ったが彼女に
「ごめん。エッチしたいのは彼女だけ。渡辺に発情しない」
そう言ったら
「小林先輩の意気地無し!」
渡辺に泣きながらなじられた。
俺は彼女が納得したようで安心した。
渡辺はしばらく裸だったけど俺がいつまでも手を出してこないのに、ようやく諦めて服に着替えた。
暫く渡辺は壁際に体育座りをしてうつ向いていた。
俺は掛ける言葉が見つからなかった。
そのまま二人無言のまま一時間くらい過ごした。
体育座りしてうつ向いていた渡辺はスマホでメールをしていたみたいだ。
そして俺に
「佳菜子達あと30分くらいで帰ってきます。」
と言った。
渡辺を傷つけたのは申し訳なかったが、あと少しで帰れるのが嬉しかった。
「ありがとう渡辺」
とお礼を言ったら
「小林先輩。困らせてごめんなさい。」
と謝ってきた。
俺は彼女に何も言えなかった。
30分ほどして二人が帰ってきて玄関の鍵がやっとあいた。
帰って来た二人に何も言う事なくそのまま港の家を後にした。