初恋の行く末


病院で受付を済ませて問診票に記入しあとは呼ばれるのを待つばかり。

翔も一緒に待合室で待つと言ってくれたがピルも飲んでいる手前、色々と聞かれたら都合も悪いので恥ずかしいから一階の喫茶室で待っててと誤魔化した。

15分ほど待って

「山中さん2番診察室へどうぞ」

と名前を呼ばれた。

大したことないとは分かってはいるが診察はやっぱり嫌だ。

緊張した面持ちで診察室に入った。

「こちらに座って下さい」

女性の先生に促され椅子に腰掛けた。

「今日はどうされましたか?」

問診票を見ながら先生は言う。

「あの、生理が1週間くらい遅れていてピルも飲んでいるから大丈夫だと思うんですが」

と言うと

「性交はいつありましたか?」

と生々しく聞かれた。

「えっと…毎週かな」

具体的な日にちまでは覚えていないのでとっさにそう答えてしまい恥ずかしかった。

「ピルを飲んでいて普段生理は定期的にきていますか?」

色々と聞かれるので少し不安になってきた。

「はい。多分」

「ピルの飲み忘れもあるかもしれないので念のため調べて見ましょう」

飲み忘れ。多分ないと思うけど

診察台に乗り自分の子宮内の映像を見て先生が

「二週目に入ってますね」

と言った。

「え!?」

お医者さんから言われた言葉に驚いて頭が真っ白になった。

二週目に入ったって…

妊娠してるってどういう事?

ピルは確か飲んでいたはず…
暫く自分の行動を思い出していたら飲み忘れた日にちが何日かあった事が分かった。
後で飲もうと考えて飲み忘れしてたんだ。

自分の管理の甘さに泣きたくなった。

どうしよう!!演技がまさかの現実になってしまった。
子供は確実に翔の子だ。

高橋とは2カ月間くらいしてないし、いつも着けてくれていた。

翔とは回数も多いし避妊具はなし。

たまに危ないエッチをしてくる事もあったけどピルも飲んでいたし罪悪感を払拭したくて、その行為を受け入れていた。

だからピルを飲んでいなかったら私はもっと早く妊娠していたかもしれない。

翔は妊娠について日頃なにか考えてくれていたんだろうか?

私との将来の事少しは視野に入れてくれているんだろうか?

付き合う事の楽しさで頭を一杯にして大事な事おろそかにしていた。

どうしよう!!
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