初恋の行く末


診察を終え一階の喫茶室へと重い足取りで向かう。

「どうだった?」

心配した様子で翔が聞いてきた。

こんなタイミングで真実を伝えたくない。

でも父親は確実に翔なんだから言わないといけない。

「…実はね。やっぱり妊娠してるって。2週目に入った所だって。」

なかなか言い出せなかった。

「2週目…」

翔は困惑しながら何か考えていた。

そんな表情みたら不安になった。

やっぱり迷惑?

それとも疑ってる?

「ごめんね。突然こんな事言われても困るよね」

と言ったら慌てて

「いや。あの突然の事で驚いて。これからの事とか考えてた」

これからの事。翔はどう思っているんだろう?

聞きたいけど怖くて聞けない。

「そうだよね。驚くよね」

こんな事しか言えなかった。

「今後の事は後でゆっくり話すとして今日はもう遅いから夕飯食べて帰ろう」

具体的な事は語られなかった。

「うん。そうだね」

私は不安になりながらも頷いて翔と夕食を食べて自宅に帰った。
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