初恋の行く末
丁度カレーが出来た頃に秋が訪ねてきた。

今日は秋一人で来てくれた。

秋の顔を久しぶりに見て涙が溢れそうだった。

「秋~助けて」

と救いを求めたら

「甘えない!」

と注意をされてしまった。
秋は本当お姉ちゃんみたいだ。

出来たてのカレーをよそいテーブルに置いて食べ進めていたら秋が

「話の概念は聞いたけど、どっちの子なの?」

と聞いてきた。

「確実に翔との子」

それは間違いない。

「で翔はなんて言っているの?」

それは産むかどうかという事?

「具体的な事は何にも言ってくれなくて今後の事はこれから話し合いでとしか」

と言ったら

「曖昧だね。どっちともとれるし。でもそうさせたのは美保子に原因があるんだからね」

そう言われた。


全くその通り。

「分かってるよ。」

秋はため息をついて

「美保子は翔と結婚したいの?」

と聞いてきた。

「正直付き合っている状態で幸せで何にも考えてなかったの」

そう言ったら

「でも子供が出来たって事は翔と結婚の事も視野に入れるって事でしょ!それとも一人で育てるの?産まないの?」

急に生々しい現実が私を襲ってきた。

「それは…相手の希望もあるし」

秋は私の肩を両手でハッパをかけるように強めに叩いた。

「いい!美保子!翔だって子供に対して責任あるんだからね。美保子が納得いく形で責任とらせないとダメだからね」

と勇気づけてくれた。

「うん。ありがとう」

そう言うと

「一度家に連れておいでよ。どんな相手か見てみたいから」

と言ってくれたのだった。

「うん。早速翔に話してみるよ」

と言ったものの翔に連絡をするのが怖かった。

「ねぇ美保子。翔とはいつ会うの?」

病院に行った日から数日経過してたが翔からの連絡はメールのみだった。

しかも妊娠の事には触れてもこなく残業とか会社の飲み会があるとか友達と出かけるとか用事があるようで私はほったらかしだ。

「翔忙しいみたいで会う約束をしていないの」

と言うと

「美保子、前から思っていたけど相手から連絡を待ってばかりじゃなく自分からもいかないと物事進んでいかないよ」

と言われた。

確かにその通りだ。

「そうだね。連絡してみる。ありがとう秋」

翔と話をするのが怖いけど連絡をしようと思った。


暫く話をして秋は子供を実家に迎えに行くと帰って行った。

秋が帰った後、翔に連絡しようと思い携帯を手に取ったら高橋からメールがきた。
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