初恋の行く末

今日は待ちに待った山中と会う日だ。

山中とはイタリア料理を提供する居酒屋で待ち合わせをした。ネットの写真では雰囲気の良さそうなお店だったのでここに決めた。

個室もあって暗がりで落ち着いた雰囲気のお店だ。

今日は何故かお洒落をして軽く香水なんかつけている俺がいた。

明らかに浮かれている。

長年付き合っている彼女とは、そのうち結婚を考えている間柄だ。

大学時代からの付き合いになるから今は家族みたいなそんな感じが近い。

彼女の事は好きだし信頼もしてる。

ただ安定した付き合いは何か物足りなさを感じてしまい彼女には悪いとは思うが時々浮気をしてしまう。

もちろん一夜限りで後腐れない相手としか浮気はしない。

彼女はそんな俺を受け入れ許してくれている。

彼女のそんな器の大きさに惚れてるし結婚は彼女しかいないと考えている。


待ち合わせの時間より早く着いてしまって暫く回想なんかしていたら彼女がお店にやってきた。

「こんばんは。お店すぐわかった?」

と手を上げ声をかける。

「うん。地下鉄降りてすぐのビルだったから、分かりやすかったよ」

と彼女が言う。

当時の面影そのままだな。
相変わらず愛くるしい。

今日はサーモンピンクのワンピースを着ていて童顔の彼女に良く似合っていた。
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