初恋の行く末
あれから1時間位経っただろうか。
山中と当時の話をして盛り上がった。
彼女は中学時代と変わらず純粋で純情。
俺が少し見つめて手を握ったら頬を赤らめてしまった。
多分男性経験が少ないな。
試してみたい。
そんな淫らな欲求が沸いてしまい慌てて抑えた。
彼女は俺が失ってしまった物を持っていて薄汚れた俺とは違う。
彼女を汚したくはなかった。
そろそろお開きにして帰ろうかと思っていたら急に彼女がカクテルを沢山飲みだし
「あの、中学の時だけど私に告白してくれた事覚えてる?」
淡い初恋の話をしだした。
「覚えてるよ。タイプじゃないって思い切り振られたから俺けっこうショックだったんだぜ」
と山中に言った。
「い、今さらだけどあの時ごめんね。本当は私も高橋の事好きだったの。当時は素直になれなくて気持ち伝えられなかったんだ」
山中は緊張しながら言った。
「え!じゃあ俺ら両思いだったの?」
振られたと思っていた初恋には続きがあった。
「そうだよ。私告白されて嬉しかったんだ。ただ告白する場所が教室だったから皆もいるし恥ずかしくて」
「教室が駄目だったのかー」
俺が告白する場所さえ間違えなければ付き合えたんだ。
山中ともし付き合っていたらどんな感じだったんだろう?
当時の幼い自分に後悔した。
「あの時から私ずっと後悔してた。両思いになってたらどうだったのかなって」
初恋が上手くいっていたら…
どうだったんだろう?
上手くいって結婚してたとか?
多分あのままの俺だったら若くして、出来ちゃた結婚して幼さ故に別れるみたいなパターンになりそうだ。
そう思うと実らないほうが良かったのかもしれない。
「中学当時は俺もガキだったから、もし付き合ってたら上手くいかなかったかもしれないな」
と言った。
俺がそう言ったら山中は煽るようにカクテルを一気に飲みだした。
もしかして山中まだ俺の事好きでいてくれてる?
そう思ったら当時の気持ちがまた蘇ってきた。