初恋の行く末
高橋に彼女がいた。その事実を受け入れたくなくて私は片っ端から強いカクテルを流し込んだ。
心配そうに私の顔を男が覗きこみこう言った。
「ちょっとそんなに飲んで大丈夫?」
優しい人だな。
今日初めて会って話した人なのに私の事気にかけてくれてる。
「いいの。忘れたいから」
そう忘れたい。ずっと結ばれたかった人と一夜を共にする事ができて嬉しかったのも束の間。
一気に地獄へと突き落とされた気分だ。
「あいつと何かあったでしょ?」
ズバリ的中!
私てわかりやすいのかな?
「うん。高橋に片思いしてて彼女がいた事にショックを受けてるの」
さすがに一夜を共にしたとは言えないな。高橋と友達だし。
「そうか。あいつ地味にモテるんだよな。でも一途だし浮わついた所がないし、いい奴だよ」
そんな風に言われると余計に私は中学時代に素直に慣れなかった事が悔やまれてならない。
「そう!高橋はいい奴なの!中学時代、私が困ってたら必ず気付いて相談に載ってくれて励ましてくれて…」
中学時代の事と高橋と一夜を共にした事が同時に思い出され涙が止まらなかった。