初恋の行く末
あれから数日経ったけど山中にはまだメールを送っていなかった。
どういった内容を書いたら彼女に気持ちが伝わるか又状況が伝えたられるか考えてたら日にちが経ってしまっていた。
今やっとまとまったからメールを送ろうと思う。
送信する内容は
"小林に久しぶりに会ったよ。
俺の入籍のお祝いをしてくれた。
山中には最後まで言えなかったけど俺彼女と結婚したんだ。
彼女との子供が出来て来年春には産まれる。
ずっと言えなくてごめん。
小林と色々話して驚いた。
まさか2人が付き合っているなんて知らなかった。
前もって言っておいて欲しかったよ。(@・□・@;)!!
って言えないか。
誤魔化すの大変だった。
小林俺達が会っていたの薄々気付いてる。
前に街中で見かけたのと先々週あの場所の近くで俺を見たそうだ。
街中で会った時は山中から呼び出されてカフェで告白された。
彼女がいると断ったけど号泣されて近くのカラオケ屋でなだめた。
そういう内容にしてるから上手く誤魔化して。
あの場所の時は偶然で山中も来ていた事は知らなかった事にしてるから宜しく。
話は変わるけど山中も妊娠していると聞いて更にビックリしたよ。
月並みだけどお幸せに!
小林は真面目で優しいし多分浮気はしないと思う。
あいつの事大事にしてやって
アイツと話をしていて山中の事すっごく好きだというのが伝わってきたよ。
もうアイツの事傷つけるのはお互い止めよう。
俺も奥さんをこれから大事にしていくつもりだし
最後に本当は会って話をしたほうが良かったかもしれないけど会うと互いのパートナーを傷つけるから敢えてメールにしました。
今まで有難う。そして黙っててごめん。
という内容にした。
友美と山中が同級生という事には敢えて触れなかった。
もし4人で会う事になったら情報として伝えておこうと思うが今はやめた。
山中に何の前触れもなく別れを伝えるのに友美の事まで伝えるのは酷だと思ったからだ。
一度内容を確認してから深呼吸をした後にメールを送信した。
送信した後、山中と過ごした時間と中学当時が思い出された。
彼女と終わった事に悲しみは感じなかった。
あったのは"爽快さ"だった。
彼女を傷つける事には胸が痛んだが傷ついたのはお互い様だ。
山中に対しての俺の気持ちは恋だった。
その他に強く山中に感じた物は"ひたむきな気持ち"
中学時代に持っていて今は失っていた物だ。
俺はずっとこの気持ちを取り戻したかったんだ。
山中に会ってこの気持ちが甦ってきた。
感謝してる彼女に。
でも俺は山中と生涯を共にしたいとは思ってなかった。
ただ好きだっただけ。それだけ。
好きな気持ちだけでは、もう動けない。
それだけ俺は大人になったんだと思った。