初恋の行く末

色々な事を考えながら過ごす2時間はあっという間だった。

JRを降りて改札も出て地上に出たら懐かしい車が迎えに来てくれていた。

「お父さん迎えに来てくれてありがとう」

半年ぶりに見る父親の姿は何故だか少し年老いて見えた。

「久しぶりだな。美保子、今日はゆっくりできるんだろう?」

と嬉しそうに言う。

口数少ないけど優しい父親だ。

私に彼氏と子供が出来たと言ったら何て顔するかな?
「うん。今日泊まって明日帰るよ。お母さんは家にいるの?」

今日は母親に久しぶりに甘えたい気分になった。

「家にいて美保子が好きなすき焼きの準備してるぞ。肉もいいの買ってたぞ」

と言う。

久々の暖かな家族の温もりに泣きそうになった。


実家に着いたら父親の言う通り母親が張り切って料理を沢山作っていた。

すき焼きだけじゃなく私が好きなポテトサラダとか持ち帰り用にときんぴらごぼう等を作ってくれていた。
「こんなに沢山作ってくれてありがとう助かる」

私がこう言うと

「そう言うと思って沢山作って置いたから持って行きなさい」

と優しく迎えいれてくれた。

今日は家族の暖かさが身に染みる日だ。

久しぶりにゆっくりして行こうと思った。

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