初恋の行く末
「美保子おはよう」
朝の目覚めは翔の声で起きた。
目を開けると私を暖かく見つめながら唇に優しくキスをされた。
久しぶりに感じる翔の体温と唇の感触。
気持ちがいい。
もっとキスされたい。
そのままにしていたら首筋に軽く唇を押しあてられ着ていた長袖のシャツとキャミソールはたくしあげられ、ブラジャーの中に手を入れられた。
翔に聞きたい事や話したい事沢山あるけど今は翔と触れあいたかったから翔にされるがままにした。
「してもいい?」
翔が聞いてきたので
「うん」
と頷いて翔に抱かれた。
翔に抱かれた後、勇気を出してこう切り出した。
「ねぇ、どうしてあの日から連絡がメールだけになったの?」
と聞いた。
「あの日?」
私の言っている意味が分からないようだったので
「私の妊娠が分かってから翔、連絡くれなくなった。妊娠が迷惑だったの?」
こう聞き直した。
「違うよ。仕事の残業や飲み会が続いただけだよ」
と慌てて翔は言った。
忙しいなんて多分嘘だ。
なんか理由があるはずだ。
「でも前だったら電話くれてた。私に会いたくない理由あったんじゃない?」
訳を知りたくてこう言った。
「違うよ美保子。実は会社の上司や友達に近く結婚するからと伝えてたんだ」
翔はこう言いながら私を強く抱き締めた。
「え!?結婚?」
どういうこと?
一度も二人で将来の事話もしてないのに?
「私と?」
翔に再度確認をした。
「もちろん。結婚しよう」
翔から突然プロポーズされた。
プロポーズされた事は嬉しかったけど今までほったらかしにされた事と翔が私に何も言わないで勝手に物事を進めた事に腹が立ち
「どうして先に私に結婚の事話をしてくれないの?お互いに納得してから友達とか上司じゃないの?」
と言ってた。
翔は今までの鬱積を吐き出すように
「じゃあ俺が先にプロポーズしたら受けてくれた?高橋の事まだ好きなんじゃないの?」
私にこう聞いてきた。
翔の言葉を聞いて私は一瞬言葉に詰まった。
「翔は高橋の事ずっと気にしながら私と付き合ってきたの?」
たまらずこう聞いた。
翔は私に
「そうだよ。だっておかしいだろう?ラブホテルの近くで2回も2人を目撃するなんて疑うだろう?」
と言ってきた。
私は何も言えなかった。
翔になんて言ったらいいの?
ごめんなさい翔。
そう言えたらどんなに私の気持ちが楽だろう。
でも謝ったら認めてしまう事になる。
翔に伝える言葉が出てこなくて泣きながら翔の自宅を飛び出した。