初恋の行く末

「待った?」

翔は私が早くマンションに着いたのを発見して急いで駆け寄ってくれた。

合鍵を持っていたから家で待っていても良かったが翔も後少しで到着しそうだったのでドアの前で待つ事にした。

翔の顔を少しでも早く見たかったからだ。


「美保子俺…」

私が言う前に翔が私に言いかけたので先に伝えたくて

「翔、伝えたい事があるの。先に聞いてくれる?」

と言った。

緊張した面持ちで翔は

「分かった。取り敢えず寒いから中に入ろう」

と私を抱き寄せ部屋に招きいれた。

リビングに通されて翔は一旦ダイニングに行き冷蔵庫からお茶のペットボトルを取りだし私に渡した。

本番まであと少し緊張する。

緊張を和らげる為に一度飲み物を飲んでから翔に

「座って聞いて欲しいからソファーに来て欲しいの」
とお願いをした。


そう私が言うと不安そうな顔しながら

「え?何、何」

と言いながら翔はソファーに座った。

これで気持ちを分かって貰えるとは思わない。

翔に分かって貰えるまで何度でも伝えよう。

翔の前に立って私は

「あのね。伝えたい事が2つあるの。
まず1つ目は高橋の事なんだけど確かに私は一度告白する為に会った。
でも翔が勘違いしている内容ではないの。
高橋に好きと告白して彼女がいるとこっぴどく振られたから私前に進めた。私今は翔が大好きなの。高橋はもう過去の片思いの相手なの」

言い終わってから着ていたトレンチコートを脱ぎノースリーブの白のチュールのワンピースになった。

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