初恋の行く末
幸福感に包まれながら帰宅して持ちかえった仕事をしていたら携帯が鳴った。

慌てて出たら小林さんからの電話だった。


「もしもし今大丈夫?」


高橋とは違って少し低めで暖かみのある声。この声好きだな癒される。
でも今日は聞くのが辛い


「うん。今持ちかえった仕事が一段落したところ」


本当は行事の作り物が沢山残っている。

今日は徹夜だな

「大変だね。今日終わりそう?」


「一生懸命やれば多分」


そう私が言ったら

「俺手伝おうか?実は工作とか好きで得意だし」

こう言ってくれた。

その優しさが心に染みた。
「え!嬉しいけどいいよ。小林さんだって仕事で疲れてるのに」


「今仕事暇だし。それに仕事手伝うという名目で会えるし今から家に向かうよ」

こう言ってくれたのだった。

「いいの?有難う。実は徹夜かなと思っててこのお礼は必ず」

小林さんに会うか迷ったが正直助かった。

小林さんには何故か甘える事ができる。

「じゃあリクエスト。この前作ってくれたアップルパイあれ好きだな」


「本当?良かった。また作るね」


こんな言葉もらったら作りがいあるな

彼はいつも私の欲しい言葉をくれる

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