偽悪役者
「君達は間違ってる。自分のせいだとか、当然の報いだとか。自分の為と言いつつ、結局は周りを気遣ってるじゃないか。どうして君達は自分自身を大事にしない?見ないふりして逃げてたのは、自分自身を大切にしないことだ。」
「そうだよ!大丈夫とか言って全然大丈夫そうに見えないし。私、鈍いから言ってくれないと分かんないし。まぁ、柊にとっちゃ私は頼りないかもだけど…」
椎名に続いて橘まで出てきてしまう。
飛び出した椎名に気がいっていて、篠宮も来栖も橘を止められなかった。
「終わらせるとか、いっそのこととか、何でそんなこと言える?好きだったら尚更一緒に生きようと思わない?好きな人には生きていて欲しい、少なくとも僕はそう思う。」
訴えかけるように、特に鏡鵺に向かって椎名は言った。
「あんたに俺達の何が分かるんだよ。俺達の過ごしてきた、味わってきた苦しみや悲しみが分かるって言うのかよ!?」
「鏡鵺!やめろ。」
椎名の言っていることは正しい。
ただそれが当事者ではない者の理想論でしかないことを、鏡鵺は身に染みて分かっている。
だから正し過ぎてヘドが出た。
この偽善者が、と。
「そうだよ!大丈夫とか言って全然大丈夫そうに見えないし。私、鈍いから言ってくれないと分かんないし。まぁ、柊にとっちゃ私は頼りないかもだけど…」
椎名に続いて橘まで出てきてしまう。
飛び出した椎名に気がいっていて、篠宮も来栖も橘を止められなかった。
「終わらせるとか、いっそのこととか、何でそんなこと言える?好きだったら尚更一緒に生きようと思わない?好きな人には生きていて欲しい、少なくとも僕はそう思う。」
訴えかけるように、特に鏡鵺に向かって椎名は言った。
「あんたに俺達の何が分かるんだよ。俺達の過ごしてきた、味わってきた苦しみや悲しみが分かるって言うのかよ!?」
「鏡鵺!やめろ。」
椎名の言っていることは正しい。
ただそれが当事者ではない者の理想論でしかないことを、鏡鵺は身に染みて分かっている。
だから正し過ぎてヘドが出た。
この偽善者が、と。