一番がいい!!〜番外編〜




智哉が、何も言わないから



頭を働かせる…




とりあえず、自己紹介か…?





相川さんに…




いや、ムリだ…





「…高梨さんの席の一番後ろなんだけど、覚えてくれてる?」



「えっと…

ごめんなさい。

まだクラス全員の顔と名前が覚えてられなくて…」




うん、わかってた。



自然に、自然な流れで…



心で唱えながら…



「わぁ、軽くショック!

相川さんは、覚えてくれてるよね?」



「もちろん!

中田 翔平【ナカタ ショウヘイ】くん

だよね?」




フフッと笑う。




うわぁ…



フルネームで覚えてくれてるんだ!



マジで感動!!





「さすが、相川さん!

高梨さんも覚えてよっ!

で、何?」





改めて智哉のほうを見ると





智哉が耳元でコソッと



「相川さんに惚れてるだろ…

オレを騙せると思ってたのか?

貸し【37】」




オレは驚いて、息をのんだ。



バレてたんだ…



隠してたわけじゃないんだけど…




何となくいつもと違って言い出せなかったんだ…




智哉には借りが今のところ、【37】あるらしい。







そんなことより!!



初めて話して、いきなり2人でアイス?



自分ではどーしていいのかわからなかったのは事実。




ここは、乗っかるしかないと覚悟を決めた!




「相川さんもドタキャンされたんだ!

オレも智哉にドタキャンされたんだよ!

ドタキャン同士、アイス食べに行こ!」




オレの決心が揺るがないうちに動く!





相川さんが断る隙を与えないように




手をつかんで歩き出す。




相川さんがどんな顔してるかなんて見られないから、ひたすら前だけを見て教室を出た。



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