一番がいい!!〜番外編〜
ハァ…とため息を吐き、改札を抜けると外国人がいた。
日本語が全く通じないのか、駅員も困ってた。
オレと同じ制服を着たヤツらが横を通り過ぎて行くけど、誰も目を合わせない。
コイツら、県内トップクラスの高校通ってんのに英語も話せないのかよ…
たいしたことないんだな!
まっ、入試で智哉の次がオレなんだからバカばっかなんだろっ!!
目立ちたくなかったけど、見過ごす訳にもいかねーから仕方なく近付いていくと…
「(どーかしましたか?)」
オレの前を歩いていた女が流暢な英語で話し出したんだ。
えっ…
あっけに取られて、足を止める。
それは、あまりにキレイな英語だったから。
オレより上手い…
コイツに聞かれなくてよかった…
でしゃばろうとしたことを恥ずかしく思った。
どーやら、外国人は降りる駅を間違えたらしい。
その女が駅員に説明して、外国人は駅員と中へ戻っていった。
その女は、何事もなかったかのように歩き出した。