一番がいい!!〜番外編〜
期末テストが終わって、帰りの準備をして智哉を呼びに行くと、アゴで『ついて来い!』と合図された。
その先には、机に伏せて動かない高梨さん。
そして、相川さん…
「高梨さん、どーしたの?」
智哉が、相川さんに声をかけた。
「あぁ…
『精も根も尽き果てる』
まさにピッタリの状態です」
あっ、テストに出たよね!
「そんなに頑張ったんだね!
すごいよね!」
「そーでしょ?
頑張ったから、花火大会行こうって話してるの!」
楽しそうに話しかける相川さん…
やっぱり智哉が好きなんだ…
「今月末の?
あぁ…
オレらも、一緒に行っていい?」
えっ、なんで一緒に行くって…
まさか、気が変わって…
智哉も相川さんが…
両想いなのか…
顔に出すわけにいかない…
ギュッと拳を握り締める。
「あっ、あぁ…
知里がまだ行くか決めてなくて…
どーする?」
高梨さんがゆっくり顔を横向けると
「やっ、柳澤くん?!」
ガタンと勢いよく、立ち上がる!
相変わらず、ドジな子だ。
でも、一緒にいて飽きないのは分かる気がする。
「やぁ、久しぶりだね」
智哉が王子様スマイルを向けると、カァッと顔が赤くなってる。
「なっ、なんで?!」
「みんな帰っちゃったのに、机に伏せてたから大丈夫かと思って」
心配そうに首を傾ける智哉。
相川さんを誘うために…
声をかけたいなら、一人で行けばいいじゃないか…
オレの気持ちを知ってるくせに…