一番がいい!!〜番外編〜
ケータイを出したついでに、メールを送る。
『おい!
コッチだよ!』
メールすると、すぐ返信。
『わかってるよ!
気遣いだろ!
気付け!
貸し【76】なっ!』
えっ、そーだったのか…
貸しも増えたもんだ…
いやいや!!
あれ?
智哉は相川さんのこと好きなんじゃねーの?
オレに譲ってくれるとかなら、ぶっ飛ばす!
いや…
やっぱそれでもいいかも…
聞くなら、今しかない!
『相川さんのこと、好きじゃねーのか?』
直球で聞く。
『はぁ?何言ってるんだ?
相川さんを好きなのはオマエだろ?』
『だって、花火大会、相川さん誘ったじゃないか?』
『翔平のためだろ!
球技大会の借りを返しただけだ!
気付いてなかったのか?!』
そーだった…
智哉は約束はちゃんと守ってくれるヤツだった…
何を勘違いしてたんだ…
智哉が今までオレを裏切ったことがあったか?
そんなことは一度もなかった!
相川さんのことになったら、どれだけ周りが見えなくなってるんだ…
ごめん、智哉…
ケータイを見つめたまま動かないオレを見ていたのか、
『翔平が惚れてる女に手を出すほど、困ってない!
完全フリーだ。
夏休みは遊ぶからなっ!付き合えよ!!』
顔がニヤけた。
よしよし!遊べ遊べ!!
たくさん遊べ!!
それでこそ、健全なイケメン男子だ!
オレは、相川さん一筋だけど…
コクるまでは、遊んでも…
いいよなっ?
はぁ…力が抜けた…
よかった…
ホントに良かった…
でも、相川さんが智哉のこと好きなのには変わりないけど…
隣に視線を送ると…
「遅いよ!」
手招きしている姿。
「ごめん!
遅くなって…」
息を切らしながら来た高梨さん…