一番がいい!!〜番外編〜
花火大会で、電車は超満員!
4人で一緒に居たはずなのに、いつの間にか離れてしまった。オレの前には相川さんが立ってる。
オレは背が高いから、つり革ではなく、その上の棒に捕まり安定してる。
でも小さな相川さんは、不安定な下駄で揺れる電車の中で必死に耐えていた。
助けてあげたいけど、オレが触れていいのかスゲー迷っていた。
いつもなら、相手のことなんてお構いなしに助けるんだけど…
相川さんに対して、なんでこんなにチキンなんだオレは!!
智哉まで疑ってしまったし…
最近のオレ、かっこ悪いことばっか…
そのとき!
ガタン!
電車が大きく揺れた。
相川さんが足元のバランスを崩し、とっさに横にいたオッさんに捕まった。
オッさんは、鼻の下を伸ばしてデレっとした顔になってる。
「ごめんなさい…」
小さな声で謝りオッさんから離れようとするけど、揺れる電車で中でなかなか離れられない。
グイッ!
相川さんの腕をつかみ、オレに引き寄せた。
オレも触れてないのに、こんなオッさん触らせておけるかぁ!!
背中に手を回し、
「ごめん…
イヤかもしれないけど、降りるまで我慢して…」
「ありがとう…
助かります」
弱々しく呟くと、オレの胸に顔を埋めた。
えっ!
えぇっっ!!
心臓の鼓動、聞こえないか?!
めっちゃバクバク鳴ってて恥ずかしいんだけど?!
すごいいい香りがする…
やベー、このまま着かなければいいのに…
ずっとこのままでいたい。
思わず、背中に回す手に力がこもる…