一番がいい!!〜番外編〜
「絶対イヤだ!
帰らない!」
相川さん…?
いつもの相川さんからは、想像も付かないワガママな声…
両手で顔を押さえる。
とても楽しみにしていた気持ちが伝わってくる…
そんなに楽しみにしていたんだ…
オレもだよ…
昨日は、全然眠れなかった…
でも、このまま連れては行けないよ…
困った顔で、高梨さんを見上げた。
「…遊実、わかったよ!
ここでしばらく休もう。
それで、よくなったら一緒に行こ。
中田くんは、先に行ってて」
相川さんの横に座る。
「それは無理。
女の子2人残して行けない…」
「でも、せっかく来たんだし…」
話は平行線。
すると、どこかに行っていた智哉が戻って来て
「じゃ、翔平残れよ。
オレ、高梨さんと場所取りしてくる。
相川さんが来れそうなら来ればいいし、
無理なら送ってあげて」
そう言うと、オレにミネラルウォーターを手渡した。
これを買いに行ってたんだ…
そんなことにも気づかないなんて、どんだけテンパってるんだよ…
「じゃ、行くぞ!」
智哉は、高梨さんの手首を掴むと行ってしまった…
遠くで
「でも、それじゃ中田くんに悪いよ…」
高梨さんの、声がした…
悪くないよ…
オレがいたくて、ここにいるんだ。
置いてなんて、絶対行けない…