一番がいい!!〜番外編〜
残されたオレは、相川さんの隣に座った。
そっと、相川さんの手を握った…
何もできないけど、側にいるってことわかってほしかったんだ。
握った手は、この暑い夏に似つかわしくないほど冷たくて、熱を持ったオレの手をひんやりとさせた。
隣で驚いているのを感じたけど、横は見ない。
困った顔してたら、オレ凹むから…
横からボソッと
「あったかくて気持ちいい…」
そんな声が聞こえて、思わず横を向いてしまった。
そこには、顔色は悪いけどにっこり笑ってる相川さん。
「ちょっと寒かったから…」
この暑いのに寒い?!
相当、具合が悪いんだなぁ。
やっぱり帰ったほうがいいな…
「やっぱり帰ろ?
これ以上、具合が悪くなったらダメだし…」
手にギュッと力を込めた。
「やだ!」
「やだじゃない!」
「絶対、花火見て帰る…」
オレの手が弱々しく握り返された…
どんだけ行きたいんだよ!
花火大会なんて、来年も再来年もずっとあるじゃないか!
「今年の花火は、一度きりしかないから…」
ハッとした。
来年は、相川さんと一緒に行けないかもしれない。
相川さんに彼氏なんてできたら、絶対無理だ…
今年… いや、今しかない…