一番がいい!!〜番外編〜
本当は、帰らなきゃいけないってわかってた。
でも、あの一言でオレはどーしても今年の花火を相川さんと見たくなった…
「わかった…
でも、これだけは約束して!
絶対無理しないこと。
これ以上、具合が悪くなったら帰る。
わかった?」
真っ直ぐ、目を見て伝えた。
「うん!
わかった!」
まだ、弱々しい顔だけど、すごく喜んでいる。
オレ、絶対守るから。
相川さんが今年の花火を見られるように、絶対守るから!
しばらくして、大丈夫だと言うからゆっくり歩き出した。
「中田くん…
手… もう大丈夫だから…」
相川さんが、恥ずかしそうな声で言ってくる。
歩き出したときから、気付いてた。
でも、離す気なんてなかった。
だって、今年の花火は今年だけ!
後悔が残ることはしたくない。
「暗いし、まだフラフラしてる。
このままでいいから!
イヤなら離すけど…?」
ダメだ…
なんで、イヤなら離すなんて思ってもないこと言ってしまうのか…
でも、相川さんの嫌がることはしたくない…
「ありがとう…
お願いします…」
繋がれた手がキュッと握られた。
このまま、どこまでも道が続いてればいいのに…
相川さんが智哉を好きでも、オレは頑張りたい!