一番がいい!!〜番外編〜






花火が始まってしばらくすると、智哉が戻って来た。



「ごめん!

一人にさせて!」



オレの横を通り過ぎて、真っ直ぐ高梨さんに向かった。




「そーだよ!

オレらが遅くなったら、どーするつもりだったんだよ!」



高梨さんが口を開く前に、強い口調で言ってやった。




「あっ、大丈夫だから…

すぐ遊実たち来てくれたし」



高梨さんは、オレらのやり取りにオロオロし始めて、智哉の顔を見つめた。



「もう来るとは思ったけど、一人にしたのは事実だから…」



珍しく、素直な言葉に驚いた。



「みんなそろったんだし、せっかく来たんだから花火見よ!」




そーだった。




オレ、花火を見るんだ。



相川さんの隣に座り、また鮮やかに上がる花火を見ようとしたんだけど…








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