一番がいい！！〜番外編〜

少し猫背になると、オレの耳にやっと届くだけの声で



「あの子のこと好きなんだろ？

オレの見立てじゃ、まだ告白どころか、デートもしてないってところか？」



「うっ…」



なぜわかった？！



オレの名前も知らなかったのに、なんで？！



「わかりやすいなぁ…

アイツの次だな…」



「アイツ？」



「あぁ、静香に付きまとってくるアイツ… ムカつくから名前も覚えてやらないけど…」





高梨さんのことか…




あの子は、すぐ顔に出る！



面白いくらいに！！







……


ん？




オレは高梨さんの次にわかりやすいってことか？！





オレって、あんな感じなのか？！





サッと血の気が引く…






「オレって…

あんなふうに見られてるんですか…？」






絶対ムリ！！



もしそーなら、オレはここから飛び降りる！！





「冗談だよ！

あんな奴がゴロゴロしてたら、迷惑だ！



オレは、誰が誰を好きかってナゼかわかっちゃうんだよね！」




「そーなんですか？！

じゃあ、相川さんの好きな人も…？」



「あの子、相川さんって言うんだなっ。

てか、苗字呼びかよ！

サラッと女を落としそうなのに…



まぁ、今はいいや。

あの子の好きな奴、知りたい？」



本当にわかるのか？



相川さんの、好きな人は智哉。

それは間違いない。



センパイの口から聞いてしまったら、もう諦めるしかない…