一番がいい!!〜番外編〜
相川さんの腕をつかんで、男を引き留めた。
「(どーしたの?
この人、誰なの?)」
とっさに出た言葉は、英語だった。
振り返った男が、突然聞こえてきた英語にビビったのか
「えっ? なんだ?!」
なんだって何だよ?!
相川さん、怯えてるじゃないか!!
ワナワナと怒りが湧き出てくる。
「(どこに行くんだ?!
怖がってるだろ?!
汚い手で触るんじゃねぇよ!!)」
殴りかかりそうになるのを必死に堪えて…
男が怯んだ隙に、さらに腕を強く引っ張って引き離した。
呆然と立ち尽くす男を無視して
「(何でこんなことになってるの?
何かされなかった?)」
頭のてっぺんから、足の先まで見渡した。
ケガはなさそうだ…
「(ナンパされて…
断ってるのに連れて行かれて…
何もされてない…
なんで、ここに…?)」
両腕を交差させてガタガタ震えている…
入学式の時に聞いた、流暢さはなく言葉をやっと出している感じだった。
「(この先のショップに行こうと思って…
そんなことより!
二人とも可愛いんだから、気を付けなきゃ)」
怖がらせないように優しく、肩に手を置いた。
「なんだよ!
オトコいるなら、言えよ!
行こうぜ!」
振り返ると、立ち尽くしていた男にチャラい男が声を掛けると行ってしまった。
あれは、高梨さんと肩を組んでいた男か…?