一番がいい!!〜番外編〜
少し先のカフェに入り、席に着く。
「何飲む?」
智哉が聞いてくれる。
「ココア…」
高梨さんも相川さんも同じ。
オレは怒りがまだ収まらなくて、腕を組みそっぽを向いてた。
相川さんは、うつむいたまま顔を上げない。
沈黙に耐えきれなくなったのか、高梨さんが智哉に問いかけた。
「さっき、名前で呼ばれた気がしたんだけど、なんで?」
「あぁ…
クラスメートじゃ、説得力ないだろ?
彼女にしておいたほうが、相手も引くかと思って。
だったら、苗字はおかしいだろう?
イヤだった?」
智哉は、そーやってチャラい男に言ったんだ…
なるほど!
オレは、言い返されていたらなんて言っていたんだろう…
「あっ、ううん。
ビックリしただけ…」
「じゃ、これからも名前で呼ぶから。
オレも智哉でいいし!」
あれ?
智哉、やけに高梨さんに絡むなぁ…
「えっ、いやぁ…」
「助けなかったほうがよかったのかなぁ?
貸し【2】だなっ」
ニヤリと笑う。
貸し【2】?
高梨さんも、智哉に借りを作ってるんだな!
オレの仲間じゃないか!!
でも、智哉は他のヤツを助けるとこがあっても『貸し』なんて言うのはオレだけだったのに…
もしかして、高梨さんのこと…?
いやいや、まさか…