一番がいい!!〜番外編〜





少し先のカフェに入り、席に着く。



「何飲む?」



智哉が聞いてくれる。



「ココア…」



高梨さんも相川さんも同じ。





オレは怒りがまだ収まらなくて、腕を組みそっぽを向いてた。



相川さんは、うつむいたまま顔を上げない。




沈黙に耐えきれなくなったのか、高梨さんが智哉に問いかけた。



「さっき、名前で呼ばれた気がしたんだけど、なんで?」



「あぁ…

クラスメートじゃ、説得力ないだろ?

彼女にしておいたほうが、相手も引くかと思って。

だったら、苗字はおかしいだろう?

イヤだった?」





智哉は、そーやってチャラい男に言ったんだ…



なるほど!



オレは、言い返されていたらなんて言っていたんだろう…




「あっ、ううん。

ビックリしただけ…」



「じゃ、これからも名前で呼ぶから。

オレも智哉でいいし!」





あれ?



智哉、やけに高梨さんに絡むなぁ…




「えっ、いやぁ…」



「助けなかったほうがよかったのかなぁ?

貸し【2】だなっ」





ニヤリと笑う。





貸し【2】?




高梨さんも、智哉に借りを作ってるんだな!




オレの仲間じゃないか!!




でも、智哉は他のヤツを助けるとこがあっても『貸し』なんて言うのはオレだけだったのに…



もしかして、高梨さんのこと…?




いやいや、まさか…


< 60 / 135 >

この作品をシェア

pagetop