一番がいい!!〜番外編〜
知里に向かって話している遊実に…
「…はよ!」
ダメだ…
顔を見て言えなかった…
イスに座ると同時にチャイムが鳴る。
その音と、周りが一斉に席に着き始めた音で、小さな声で「おはよ… あの…」と言われたことに気付かなかったんだ…
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昼休み。
弁当を持って体育館に来た。
朝のあいさつを無視されてから、話しかけられなくて今に至るオレ…
「昨日のこと考えてたら、寝られなくて…
テスト中もボーッとするし、後ろは気になるし…
まさか、一桁なんて…」
弁当の卵焼きをつつきながら、智哉にグチる。
「まっ、やってしまったことを後悔しても仕方ありません。
大也センパイに、キチンと話してください」
誰が聞いているかわからない体育館では、王子様口調。
やっぱ、そーだよなぁ…
遊実のことも気になってたけど、大也センパイに怒られるのも避けたかったなぁ…
「遊実にも、あいさつ無視されたし…
嫌われたんだよなぁ…」
「はぁっ?!
何?!」
ビックリ顔して、素の声を出す智哉。
弁当の手を止めた。
「だから、朝、声かけたのに無視されたんだって!」
「え…?
遊実、あいさつ返していたけど?
なんか言いたそうな顔してたけど、翔平が無視したのではなかったのですか?」
えっ?!
返事してくれてたの?!
オレが遊実のこと無視するなんてありえない!!
オレが気付かなかっただけ?!
つつきすぎてボロボロになった卵焼きと残りの弁当をかきこんで
「オレ、サボるから!
補習でどーせ怒られるんだから、昼休みも行かなくてもいいだろ?」
荷物を持って、体育館を後にした。