一番がいい!!〜番外編〜
でも、今はオレの手の中にある。
たかが遊園地のチケットのはずなのに、高級感溢れる用紙に豪華な印刷。
プレミアム感が増して感じられた。
コクるなら、今日しかない!
まだ着替えてなかった大也センパイは、行ってしまった。
「智哉!
オレ、今日コクる!!」
「頑張ってください!」
やっとかよ…って呆れた顔に見えたけど
、今は無視!
このチケット、無駄になんてしない!!
練習を終えて、教室に戻ると遊実が大きなため息をついているのが聞こえた。
「どーしたの?」
知里が声をかけても、振り返ることなく
「大丈夫!」
それだけ言うと、授業の準備を始めた。
話かけ辛い空気で、席に着くと
ケータイが鳴った。
授業後でいいか…
遊実、どーしたんだろ…?
*******
どーやってコクろう?
場所は?
そんなこと考えてたら授業が終わって、来ていたメールを確認する。
遊実…?
なんで、メール?
後ろにいるはずなのに、振り返ることが出来ない。
さっきのおかしな態度もあって、心臓がドグドク変な音を立てる。
『放課後、話があるの。
自習室で待ってる』
話ってなんだ…?
休憩時間、智哉の席から遊実を見るけど、知里と話すのも上の空で…
絶対いい話じゃない…
オレ、遊実に嫌われることしたか?
今日、昨日、一昨日…
さかのぼって記憶をたどるが、思い当たることが何もない…
放課後、わかることだ…
遊実が何を言ってきても、オレは受け止めよう…
そして、オレの気持ちを伝えるんだ…