一番がいい!!〜番外編〜
放課後
「知里…
用事が出来たから、先に帰ってて…」
後ろから暗い声が聞こえた。
振り返るのが怖くて、帰る準備をしてそっと教室を出た。
自習室に先に着いたオレは、スゲー緊張してた。
窓から外を見る。
寒そうだなぁ…
遊実が何を言っても、受け止める…
そう思ったけど…
彼氏ができた…
ムリ!
嫌いだから、話しかけないで…
ムリ!!
転校するの…
ムリ!!!
…何を言われても、受け止められる自信がない…
こんな感じで、コクれるのか…?
ガラガラ…
ビックリして振り返ると、暗い顔をした遊実が立っていた。
「ゴメン、部活なのに呼び出して…」
急に明るく笑い、近づいて来た。
明らかに作ってる。
遊実の話がわからない以上、オレもその笑顔に答えて笑う。
「大丈夫!
どーしたの?」
心臓が早い鼓動を打つ。
何を言われるんだ…?
「あのね…
これ、大也センパイから預かって…」
差し出されたのは…
豪華な印刷の封筒。
なんで、大也センパイが?
オレが昼間に貰ったものと一緒だけど…?
「どーして、遊実がこれを…?」
ダメだ…
わからない…
「あのね…
昼休みに、職員室に行ったの…」