一番がいい!!〜番外編〜
仲良く並んで、階段を降りていると
「遊実!!!!」
バカでかい声が聞こえ、階段中に響いた。
「つ、付き合い出したって、どーゆーこと?!」
「えっ、今?!」
ホントだよ!
朝から、どんだけ時間たってんだよ!
遊実が顔を赤らめて、オレを見るから…
助けを求めてるなぁ…
しかたない!
「簡単に言うと、オレが告って、オッケーもらった。
以上!
質問は受け付けない!」
凍るような微笑みを向けた。
あれこれ聞かれたくないから、まとめてやった。
これで文句はないだろ?
「用事があるって、翔平だったの?」
オレの微笑みに凍りついた知里だったが、ぎこちなく遊実のほうに首を動かした。
チッ!
凍りきらなかったか…
「うん…」
遊実は、目をキョロキョロさせながら頷く。
「昨日、思い詰めてた顔してたけど…?」
顔が見る見る赤くなり、動揺してる。
オレの遊実を困らせるな!
「だーかーら、質問は受け付けないって言ってるだろ!
教室で待ってろ!
行くぞ、遊実!」
グイッと手を引っ張ると早足で階段を降りた。