一番がいい!!〜番外編〜
校舎と体育館をつなぐ通路。
練習が終わり、智哉と2人になった。
「なぁ、さっきのって…」
嫌われると思う原因があるはず…
オレの見る限り普通に話しているし…
話を聞こうとしたとき、走ってくる知里を見つけた。
ここにいるはずがないと思っていたから、飛び上がりそうにビックリした!
「おぉ、知里?
どーした?」
もうすぐ授業始まるのに、忘れ物でもしたのか?
でも、オレの存在などないかのように無視して
「智哉、話があるの…
ちょっといいかなぁ?」
え…?
えぇっっ??!!
まさか?!
まさかだよな?!
昨日の今日で、それはないだろ?
いや、遊実だからなぁ…
でも、違う…
いや、もしかして…
何も出来ないけど、邪魔だけは絶対しちゃいけない!!
「無視かよ!
まぁいいや、先に行ってるから」
必死に平静を装い、ヒラヒラっと手を振り教室に向かう。
2人から見えないところまで行くと、過去最高の速さで階段を駆け上り、教室まで走りこむ。
遊実の席まで行くと
「アレって、アレか?!」
興奮して言葉が出ない。
「アレよ!」
ニヤリと笑った。
「どーやって、あんな簡単に…?」
「企業秘密!」
口の前には人差し指を立てて笑った。
「はぁ〜…」
その言葉を聞いて、力が抜けてしゃがみ込んでしまった。
「オレ、遊実に勝てないかも…」
「そーかもね!」
ふふっと可愛く笑う顔が、なんだか小悪魔に見えた。