ラッキー☆セブン
その日から私は彼と少しずつ話すようになった。

自分のことについて話すのは苦手だったのに何故か自然と話していた。そして彼について少しずつ知っていった。


彼についてわかったことといえば。

肝心な名前。春山さん。これは他の人が呼んでるのを見て知った。さすがに本人にはきけない。

現在23歳。私より7歳上だということ。


学生時代は陸上部で短距離の選手だったこと。小中と陸上で長距離をやっていた私との意外な共通点だった。


いろんな人とマメに話すこと。私の中で大人の男の人は無口なイメージが勝手についていたけど、これが打ち解けられている最大の理由かもしれない。会話が上手いなんて羨ましいなあっていつも思う。


だからかな。時々一緒に居て思う。

私なんかと話してて楽しいのかなって。

私男の人と話すの得意じゃないからうまく笑えてないし、気にしちゃう。他の女性陣見てるとニコニコしてて可愛らしいから。

んー、考えるのやめよ。

なんでこんなこと考えてんだろ。

まるで春山さんのこと好きみたいじゃ、、、、。


どくり。


『松重さーん?』


!!!本人だ!!

『ひ、ふぁい!?』


ああああ!!!恥ずかしい!!!

『ふっ、どうしたの?』

優しい笑顔にどくりとまた心臓が鳴る。

何だ何だ、顔と心臓が熱い。

止まれ止まれ、熱いの止まれ。

『す、すみません〜、何ですかあ?』

『ちょっとここにコレ入れといてくれる?』

そうだバイト中だった。余計なこと考えるな自分。

深呼吸をひとつして言われたとおりの仕事を始める。

ー3時間後ー

『ふぅ、休憩、休憩』


春山さん、休憩まだかな、、、。

その時休憩室の扉が開いた。

ガチャ

!!

『お疲れさまっーす』

あ、何だ違った。

同い年で高校生の富田君だ。

『お疲れ様です』

富田君には少し失礼だけど何かガッカリ。



あれ、何故にガッカリ?


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