捨て猫と私
はじまり
賑やかだった正月も終わり、まだ雪が降っている一月のことだった。高校からの帰りで、ハァーと息を吐き、白くなるのを見て暇を潰しながら歩いている時だった。

「・・ニャァ・・・」

と、かすかに猫の鳴き声が聞こえた。しかし、周りを見ても猫なんていない。ボロボロの段ボールがあるだけ・・・
もしかして!と思い、段ボールの中を覗くと、雪を体に積もらせながら震えている黒猫がいた。
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