好きとか。




『爽…っ』





蓮が爽くんに近づきながら
声をかけた。


私も爽くんをまっすぐ見つめる。





『蓮…と、美月??』



爽くんは蓮の声に気付いて
私達と目を合わせた。



もちろん爽くんと一緒にいた
女の子も私達の方を見る。




…うわ。




すごく可愛い。




明るい茶色の髪を耳の高さで
結んだツインテール。


ぱっちりとした大きな瞳。
魅力的なアヒル口。



モデルさんのような容姿と
キラキラしたオーラ。




私は一目で圧倒されてしまった。




でもこの子、この学校の子じゃない。
この茶色のブレザーの制服は
どこだったっけ。






『あれ?爽、この子達だれ?』





女の子は私達をちらちら見ながら
爽くんに聞いている。



二人共、親しそうな感じ。
やっぱり爽くんの彼女…??




『友達。蓮と美月。』



爽くんは表情1つ変えずに
サラッと答えた。


………………………友達かぁ。
嬉しいはずなのになんだか複雑。


それを聞いた女の子は
嬉しそうにニコッと微笑んだ。



この子、笑顔までほんと可愛い。
お人形さんみたい。





『へぇ、そうなんだ!
美優です!はじめまして!』


美優ちゃんは私と蓮に
あいさつをして握手をしようと
手を差し出してきた。



『はじめまして…美月です。』



うまく笑えたかな?


私は美優ちゃんと握手をした。
美優ちゃんは嬉しそうに
握手した手をブンブンと振る。



でも蓮は特に反応せず
ただペコっと頭を下げただけだった。





『爽に友達いて安心!
可愛い子と友達なんだね!
ちょっと妬いちゃうな~』


『友達くらい、普通にいるし。』






ズキン





え…妬くって…なんで?

やっぱり…美優ちゃんは爽くんの…




『で、お前ら、なんでここに来たの?』



爽くんが不思議そうな顔で
私の顔を覗き込んできた。





…そう…だった。
私、確かめに来たんだった。





美優ちゃんが爽くんの
彼女かってことを………。

でもこれじゃ絶対…!!





『そいつ、お前の彼女??』


『あ!蓮っ!!!!』




蓮ったら、言っちゃったよ……





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