好きとか。
てかてかてかっ
必死にボールを追いかける優馬を
応援してたからか気づかなかったけど
私、今、爽くんの隣にいる!!
どきどきどきどき
急にそれを思い出した私は
ちらっと爽くんを見上げた。
爽くんは目をキラキラさせながら
試合を見つめている。
…かっこいい。
私服もおしゃれだし、
髪もなんだか学校よりも整ってる??
その隣で私は笑っていられて。
なんだろう。すっごく幸せ。
……爽くんに美優ちゃんという
彼女がいる事はわかってるけど
今くらい忘れてもいいよね??
私、爽くんを好きでいたい。
諦めるなんて絶対できないし。
『ね、爽くん!』
私が呼んだ事に気づいて
爽くんは私を見下ろす。
『今日はずっと一緒にいてね!』
私がそう言うと、急にふわりと
風が吹いて
爽くんの髪が揺れたと同時に
爽くんは、ふっと微笑んだ。