君のそばにいたくて

「 お、成瀬来たか 。 」

と、成瀬を手招きする
付き添いの嘉納さん。

( あれ、成瀬 。 どうしたんだろ 。) 

成瀬は急に立ち止まり、
バックからペンと紙を取り出した。

「 紹介しますね、成瀬です。 
  実は成瀬なんですが ― 」

その後の付き添い嘉納さんの
話が頭にどーんと大きな衝撃を
もたらした。

「  ― 後遺症があり、喋れないんです。 」

それと同時に出された、
紙には

( はじめまして、筆記ですみません。 
 今日からお世話になります。   
 成瀬汐です。よろしくお願いします。 )

そう言って彼は
お辞儀をして笑顔でこちらを見た。 

< 14 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop