君のそばにいたくて

「「 亜嵐、触れないけど
  言うね 。 」」

―― 俺が事故った話。 

 俺ね、事故ったの大学に行って
 就職先が見つかった時だったんだ。

 周りからもおめでとう。頑張れ。
 そんなことを笑顔で言われて。

 嬉しかった、喜んだ。

 でもその夜だったよ。 

 自転車で帰ってる途中に
 信号無視した自動車とぶつかって、

 病院に搬送された。

 この時点で俺終わったなって思ったよ。

 でも神様はそこで止めてくれなかった。
 俺から声を奪った。

 憧れていた就職先からも
 すまないと外されて。

 すべてが終わった。
 もうダメだって思ったよ。

 でもそんな時に
 俺に手を差し伸べてくれたのが
 嘉納さんだった。

 「 まだ後遺症治るかもしれないんだろ。 
   諦めんな、夢をもて。 」

 その言葉に俺救われた。
 頑張ろうって思った。

 だから嘉納さんの会社に
 就職した。諦めたくなかったから。

          ―――  。  
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