君のそばにいたくて

「 ーってことだから
   亜嵐さんよろしくね? 」

「 ー はい? 」

あ、やばい。
また上司を茹でダコにしてしまう。

「 まあまあ、後は俺が教えておくので
  そんなに怒んないでくださいよ。」 

そう優しく丁寧に上司を扱う
会社の先輩、

「 茹でダコにまた説教されずにすみました。 
 ありがとうございます深津さん。 」

「 お前は茹でダコにして何が目的だ。 」

「 とりあえずたこ焼き。 」

「 お前は喰いもんばっかだな 。
 でだな、亜嵐に頼みたかったってのが
 お前に一人の男性の方と料理店の設計と
 プランを考えて欲しいんだってよ。」

「 ーは? 」

ぽかーんと口を開けたまま閉じようとしない
私の口を深津さんは顎をグッと押して無理矢理しめた。

「 暴力だ。もしくはセクハラ。 」

「 お前なんかに触ってもなんも得しねーわ。
 とりあえず何かあったら助けるから
 チャンスだと思ってやってみろ?な? 」

入社して初めて任された
茹でダコ(上司)からの仕事。

「 やれるだけ、やってみます。 」

 ーがんばって成功させなくちゃ 。
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