カラメルプリン
残業は1時間程で終わり、思っていたよりも早く片付いた。
歌穂は合コンに参加中らしく、私のスマホは静かなまま。
制服を着替えて表に出ると、10月の始めだと言うのに冷たい風が頬を撫でていく。
「寒っ」
思わず声が出てしまって、はっとまわりを見ると私の後ろに黒縁メガネの男性社員が立っていた。
可愛らしさの微塵もなかった今の言葉とトーンに、何となく落ち込みつつ、後方の男性社員にお疲れさまでした、と頭を下げて先に階段を降りた。
「お疲れさま、咲坂さん」
そう言われて、名前を呼ばれた事に振り向くと、さっきの男性社員は私とは反対方向へと歩いていた。
私の名前、知ってたんだ。
でも、さっきの人…見たことないような?と失礼な事を考えながら、頭の隅では寒くなったから今晩はコンビニでおでんでも買うかなぁ、なんて考えていて。
私って女子力ってモノが皆無なのかも、とガックリと項垂れながら足はいつものコンビニへと向かっていた。
歌穂は合コンに参加中らしく、私のスマホは静かなまま。
制服を着替えて表に出ると、10月の始めだと言うのに冷たい風が頬を撫でていく。
「寒っ」
思わず声が出てしまって、はっとまわりを見ると私の後ろに黒縁メガネの男性社員が立っていた。
可愛らしさの微塵もなかった今の言葉とトーンに、何となく落ち込みつつ、後方の男性社員にお疲れさまでした、と頭を下げて先に階段を降りた。
「お疲れさま、咲坂さん」
そう言われて、名前を呼ばれた事に振り向くと、さっきの男性社員は私とは反対方向へと歩いていた。
私の名前、知ってたんだ。
でも、さっきの人…見たことないような?と失礼な事を考えながら、頭の隅では寒くなったから今晩はコンビニでおでんでも買うかなぁ、なんて考えていて。
私って女子力ってモノが皆無なのかも、とガックリと項垂れながら足はいつものコンビニへと向かっていた。