好きだと言ってほしいから
だけどこうして彼と付き合うようになってから、私は彼がお酒を飲んでいるところを見たことがない。それは、私といるときの彼は、私を家まで送り届けなければならないという義務があるから……。だから彼はお酒を飲まない。少なくとも私がいるときには。
「逢坂先輩、ぶっちゃけ麻衣のどこを好きになったんですか?」
「ごほっ……!」
ちょうどウーロン茶を口にしたとき、五島さんがとんでもないことを聞いたから、私は最悪なことにウーロン茶を少し噴出してしまった。
「ごほっ、ごほっ……」
慌ててハンカチを取り出して口元に当てる。背を丸めて下を向き呼吸を整えていると大きな手にゆっくりと背中をさすられた。
「麻衣、大丈夫?」
「は、はい……。ごめんなさい、急に……」
「いや、そんなことはいいけど」
逢坂さんの優しい手のひらを感じながら、私は涙目になった。
彼と付き合い始めてから二年間、私がずっと聞きたくても聞けなかったことを、みんなの前で聞くなんてとんでもない。逢坂さんが私のどこを好きかなんて、そんな質問、彼を困らせるだけだ。
それでも勇気を出して隣の彼を盗み見た。私の視線に気づいた逢坂さんは心配そうな眼差しで私を見下ろしている。相変わらず彼の左手は私の背中を優しくさすってくれていた。
彼が言った。
「麻衣は?」
「逢坂先輩、ぶっちゃけ麻衣のどこを好きになったんですか?」
「ごほっ……!」
ちょうどウーロン茶を口にしたとき、五島さんがとんでもないことを聞いたから、私は最悪なことにウーロン茶を少し噴出してしまった。
「ごほっ、ごほっ……」
慌ててハンカチを取り出して口元に当てる。背を丸めて下を向き呼吸を整えていると大きな手にゆっくりと背中をさすられた。
「麻衣、大丈夫?」
「は、はい……。ごめんなさい、急に……」
「いや、そんなことはいいけど」
逢坂さんの優しい手のひらを感じながら、私は涙目になった。
彼と付き合い始めてから二年間、私がずっと聞きたくても聞けなかったことを、みんなの前で聞くなんてとんでもない。逢坂さんが私のどこを好きかなんて、そんな質問、彼を困らせるだけだ。
それでも勇気を出して隣の彼を盗み見た。私の視線に気づいた逢坂さんは心配そうな眼差しで私を見下ろしている。相変わらず彼の左手は私の背中を優しくさすってくれていた。
彼が言った。
「麻衣は?」